インハウスエンジニアの必要性
久しぶりのブログ投稿となります。
はてなブログに箱を設けていたことも忘れていました・・・。
自分は日々色々なことを考えているとは思うのですが、
頭が多動的に駆け巡ることを止めてくれずすぐに忘れてしまう
といった欠点を自覚しております。
つきましえては今後はこちらのブログに日々の雑感を書き留めつつ、
自分の備忘録にしていきたいと思います。
◆インハウスエンジニアのあり方
早速ですが私は土木系の大学を卒業して
現在は発注者側のインハウスエンジニアとして働いております。
この「インハウスエンジニア」という働き方について、
本日は私の考え、社会人として感じてきたモヤモヤ感などを書いていこうと思います。
◆インハウスエンジニアとは?
インハウスエンジニアとは 国や地方自治体、
もしくは一部インフラ企業内の技術系職員のことである。
昭和初期などでは国の直轄事業は調査・計画・設計・工事・維持管理までの
各フェーズをインハウスエンジニアがすべて直営で実施してきた。
例えば、設計でいえば現在は設計コンサル会社(例:日本工営、パシコンなど)に
設計業務を発注、条件を提示し、主体の作業はコンサルで実施というケースが大半だが
かつては技術系公務員が直轄で構造計算、図面を書いていたことになる。
これが高度経済成長期を介して工事量が増大していったため、
徐々に外注化へと移行していった歴史的背景があるようだ。
それとともに、インハウスエンジニアに求められる能力は
直轄時代には、設計や積算、調達等のハードスキルであったのに対し、
現在は、内部での調整や外注先への説明能力といったソフトスキルへと変わってきた。
・参考文献:「建設生産システムにおける品質確保の方向性について」
http://www.jice.or.jp/cms/kokudo/pdf/reports/act/19th/nikkan2008_08.pdf
◆インハウスエンジニアの技術力
インハウスエンジニアの技術力低下が嘆かれて久しい。
直轄時代には調査~維持管理までの一連の流れを自ら実施してきたことが、
現在は外部業者へ委託し、成果をチェックすることが業務の大半となっている。
そのため、設計計算や工事の施工計画立案といったコアな技術を
インハウスエンジニアが持っていなくても設計や工事は進んでいくことになる。
プロジェクトの各フェーズ(調査、…、工事)を断片的に担当していくことが多く、
自身の核となる技術が身につきにくいことが技術力低下の背景にあると思う。
私自身も自分の業務の中で、「技術力」とは何かということを日々悶々と感じている。
例①:設計フェーズ
例えばプロジェクトの設計をコンサル会社へ発注する。
設計を進めるために必要となる諸条件は各発注機関の特状によることから、
インハウス側が提示しなければならないが、
その後は最悪、黙っていても工期内に成果物をコンサルが仕上げてくる。
発注者としてすることといえば、
仕上がった成果物の計算にミスがないかをチェックするだけでもよい。
必要の有無を置いておいて、自分で手を動かし構造条件を整え
設計計算を回せるインハウスエンジニアはどれくらいいるだろうか?
例②:工事フェーズ
設計が完了し、いざ工事施工のフェーズとなると
インハウスは工事の監督者として施工会社を監督することになる。
監督者は施工会社が立てた施工計画書や品質計画書を提出してもらい、
その中身に不備がないか、安全性が担保されているかなどを確認し、
問題があれば修正指示を出し、工事をスタートさせる。
これが施工計画等に十分熟知したインハウスであれば必要なプロセスである。
しかし、技術力のない監督員が自分の主観によって
「なんとなく危ない」、「なんとなくもう少し保安要員をつけたほうが良い」と
施工会社へ指示を出している場面に度々遭遇した。
建設業界はブラックで生産性が低いと言われるが、
その一要因としては発注者側からの裏付けに乏しい無茶な指示に
請負会社が対応せざるを得ない業界構造にあると思う。
★インハウスエンジニアに求められる能力
長々と綴ってきたが、私は一インハウスエンジニアとして、日々、
自分はこれからどうしなければならないか?
一人前の技術者として認められるには何が必要か?
を考えては結論が出せない日々に悩んでいる。
少なくとも重要であることは、請負会社へのリスペクトを忘れず、
決して発注者という優位な立場に胡座をかき、自己研鑽を怠ることである。
コンサルや施工会社など、設計・施工に特化した会社よりも
その分野の技術力に劣ることは仕方ないが、
その分野を正しく理解し、適切な指示・判断を行うことは
インハウスエンジニアの責務であることに間違いはない。
その都度、担当するプロジェクトによって伸ばせる技術分野も変わってくるが、
その担当件名に全力で取組みながら、縦軸(各分野の技術力)と横軸(分野の幅)を
広げていきたいと考える。